「新潟ワイン」を楽しもう! 風土に根ざした個性的なワインづくりに注目
「新潟のお酒」と言えば、日本酒をイメージされる方も多いでしょう。しかし実はワインの生産も積極的に行われており、近年は新しい産地やワイナリーが増えていることでも注目されています。
今回は新潟県の風土に根ざした個性的なワインづくりに着目。〈THE NIIGATA Bit GINZA〉のプライベートラベルワインや、〈THE NIIGATA〉のおすすめワインと合わせて、「新潟ワイン」の魅力をご紹介します。
日本酒だけじゃない!日本のワインづくりのルーツが新潟に
実は、日本のワインづくりのルーツのひとつが新潟県にあります。新潟県上越市生まれの川上善兵衛さんが、1890年当時、郷土に新しい農業を起こすためぶどう園を開墾したのが始まりです。
川上さんは〈マスカット・ベーリーA〉など優良品種の開発に生涯をかけて取り組み、その功績は現在の日本のワインづくりにも生かされています。そして、新品種の育成や国産ワインの普及などへの貢献を受けて「日本のワインぶどうの父」と呼ばれています。
川上さんが創設した岩の原葡萄園は2020年に開設130周年を迎え、現在もワインづくりが続けられています。
新潟を代表するワイン産地「新潟ワインコースト」
100年以上の歴史を持つ新潟県のワインづくり。新潟を代表するワイン産地として近年注目されているのが、新潟市の海岸地帯に位置する「新潟ワインコースト」です。
この角田山の麓の地域は、砂地のような土壌で水はけが良いことや、湿気が少ないこと、梅雨が短いことなど、ぶどうづくりに適した条件がそろっています。
この地最初のワイナリーである〈カーブドッチワイナリー〉は、1992年に創業。以降、自社農園の新潟県産ぶどうを100%使用した自家醸造のワインをつくり続けています。
ワイナリーには宿泊施設(写真上)やレストランなどが併設され、新潟の豊かな食材を使った美食とワインのマリアージュを心ゆくまで堪能できるのも〈カーブドッチワイナリー〉の魅力のひとつです。
〈カーブドッチワイナリー〉以外にも現在4つの個性的なワイナリーが集う「新潟ワインコースト」。世界に誇るワイン生産地を目指し、切磋琢磨しながら日々極上のワインづくりに取り組んでいます。
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南北に長い新潟県には、「新潟ワインコースト」のほかにも、魅力的なワイナリーが新潟県内には存在します。「新潟ワイン」とひと言で言っても、それぞれの土地の特性が異なるため、そこから生まれるワインも多種多様です。
ここでは、「日本のワインぶどうの父」が拓いた歴史あるワイナリーをはじめ、4つのバラエティ豊かな「新潟ワイン」のつくり手をご紹介します。
急斜面の土地を生かした〈胎内高原ワイナリー〉
〈胎内高原ワイナリー〉は、2007年に創業した、胎内市が運営する市営のワイナリーです。厳しい急斜面が多い土地の特性を生かしてつくられたぶどう畑は、昼夜の温度差が大きく、風通しも良いため、ワインづくりに適したぶどうが育ちます。
「ワインは畑で創られる」をコンセプトとした〈胎内高原ワイナリー〉。自家農園のぶどうだけを使い、シンプルかつていねいに醸した果実味のあるワインが特徴です。
詳細はこちら:自然を食して・感じて、心をリセットする胎内高原旅
厳しい環境下での生産に取り組む〈ワインファームとちお〉
新潟県中部の盆地に位置する長岡市栃尾地域。冬は水分の多い雪が降り、夏は湿気が高いため、従来のぶどう栽培には不向きとされてきました。
栃尾に〈ワインファームとちお〉が生まれたのは2001年のこと(※)。栽培方法や管理に徹底してこだわり、厳しい環境下でも質の高いぶどうを栽培し続けています。
豊富な水資源を生かしてつくる、やわらかなみずみずしさの中にしっかり旨みのあるワインが特徴です。
※2022年までは自社で栽培した葡萄を〈アグリコア越後ワイナリー〉にて委託醸造。〈ワインファームとちお〉としての醸造・営業開始は2023年から。
雪がワインを醸す〈越後ワイナリー〉
豪雪地帯である新潟県南魚沼市にある〈越後ワイナリー〉。本場フランスのボルドーでぶどう栽培技術を学んだ醸造主が、1975年に創業したワイナリーです。
〈越後ワイナリー〉の特徴のひとつが「雪室貯蔵」。開閉式の屋根から直接雪を入れ、最大250トンもの雪を貯蔵する貯蔵室では、年間を通じて室温は約5度、隣接する木樽熟成庫は約15度に保たれており、ワインに適した状態で熟成が行われています。
日本最古のワイン蔵がある〈岩の原葡萄園〉
〈岩の原葡萄園〉は、日本のワインぶどうの父・川上善兵衛さんが創業した歴史あるワイナリーです。園内には日本最古のワイン蔵など、歴史的に重要な建造物が現存しています。
豪雪地帯でもある上越市。栽培には厳しい土地柄ながら、風土に適したぶどうを求めて品種改良に挑み、品種交雑の回数はなんと1万回以上。現在では全国各地で〈岩の原葡萄園〉が生み出した品種が栽培されています。
〈THE NIIGATA Bit GINZA〉のプライベートラベルワイン
〈THE NIIGATA〉でも「新潟ワイン」を楽しむことができます。
料理やドリンク、カトラリーにいたるまで、新潟の食やプロダクトにこだわり抜いたレストラン〈THE NIIGATA Bit GINZA〉では、プライベートラベルワインとして、「新潟ワインコースト」のワイナリー〈フェルミエ〉のメルローとシャルドネを提供しています。
〈THE NIIGATA〉のショップおすすめワイン
レストランでのお食事だけでなく、ご自宅用や贈り物として「新潟ワイン」を楽しみたい方は2階のショップがおすすめ。
ショップでは、歴史ある〈岩の原葡萄園〉のワインや、雪室貯蔵でつくられる〈越後ワイナリー〉のワインをはじめ、赤ワインや白ワイン、オレンジワインなど、さまざまな味わいの「新潟ワイン」を取りそろえています。
〈岩の原 深雪花 赤〉岩の原葡萄園
〈THE NIIGATA〉で一番人気のワインが、岩の原葡萄園でつくられた〈岩の原 深雪花赤〉(2497円)です。
完熟した〈マスカット・ベーリーA〉を厳選し、果皮や種から豊かな香味を抽出した後、樽でじっくりと熟成させた赤ワインです。濃縮された果実味が、まろやかで深みのある味わいを生み出しています。
また、ラベルに描かれた雪椿は、新潟県にゆかりのある陶芸家・齋藤三郎氏がデザインを手がけています。
詳細はこちら:〈岩の原 深雪花 赤〉|岩の原葡萄園
〈カーブドッチ いっかく(オレンジワイン)2022〉カーブドッチワイナリー
〈カーブドッチワイナリー〉の手がけるワインのなかでも、特にオリジナリティあふれるワインと呼ばれているのが「どうぶつ」シリーズ。〈THE NIIGATA〉では、一角獣がラベルにデザインされた〈カーブドッチ いっかく(オレンジワイン)2022〉(4950円)がおすすめ。
ケルナーとソーヴィニョンブランの2種類のワイン用ぶどうを使ったオレンジワインで、やさしく体に染み入る味わいが魅力です。
〈越後ワイン 雪季 2022 赤〉越後ワイナリー
〈越後ワイン 雪季(せっき) 2022 赤〉(1980円)は越後ワイナリーの雪室で熟成されたワイン。適温で樽熟成されることで、アロマとブーケが美しく調和した風味が引き出されています。
ぶどうは、南魚沼市産メルロー種を使用。ソフトでマイルドな香りが特徴です。辛口でも軽い飲み口で飲みやすく、お肉料理などとの相性も抜群。幅広い層に楽しまれているワインです。
〈ヴィーノビアンコ スペリオーレ/オンブラ(白) ヴィンテージ2021年〉カンティーナ・ジーオセット
新潟ワインコーストでイタリアワインを手本としたワインづくりを行う〈カンティーナ・ジーオセット〉。同ワイナリーがつくる〈ヴィーノビアンコ スペリオーレ/オンブラ(白) ヴィンテージ2021年〉(4510円)は、ヴェネツィアで親しまれているグラスワインの愛称「オンブラ」を冠しています。
黒ぶどう(カベルネソーヴィニョン)と、白ぶどう(シャルドネ)を用いた熟成タイプの白ワインで、複雑味に満ち、ボディ豊かな味わいが特徴です。
〈ソービニヨン ブラン 2022〉レスカルゴ
同じく新潟ワインコーストにあるワイナリー〈レスカルゴ〉。地元の米農家が休耕田で栽培したぶどうを使ったワインづくりを行っています。
畑の特性とぶどうの個性を最大限に生かした〈ソービニヨン ブラン 2022〉(2970円)は、さわやかな口あたりで、グレープフルーツやハーブを思わせる白ワインです。お肉や脂ののった刺身と一緒に楽しむことで、食材の甘みがより引き立ちます。
「新潟ワイン」の知られざる魅力を堪能しよう
雪深い地域でのワインづくりから、浜風の吹く砂地でのワインづくりまで、多種多様な「新潟ワイン」。しかし、どの地域のワイナリーでもそれぞれの土地の風土を生かし、新潟ならではのワインづくりに力を入れています。
酒どころで有名な新潟県ですが、「新潟ワイン」にはまだまだ知られざる魅力がたくさんあります。新潟県で生まれたワインのおいしさと多彩さをみなさんも楽しんでみませんか。
この記事は、新潟県の魅力発信ポータルサイト「新潟のつかいかた」の記事を引用・再編集してお届けしています。新潟県っておもしろそう!と思ってくれた方はぜひ覗いてみてください。 「新潟のつかいかた」:https://howtoniigata.jp/ |