新潟県産打揚花火
産地:新潟市、加茂市、出雲崎町、小千谷市THE NIIGATA1F階段奥の壁面では、新潟の10のものづくりにまつわる「新潟ものづくり採集」を展示しています。
このページではそのうちのひとつ、「新潟県産打揚花火」に関する詳細をご紹介。実際の展示では各ものづくりの素材や道具、工程などからつくり手の息吹を感じることができますので、ぜひ併せてご覧ください。
日本三大花火大会のひとつ「長岡まつり大花火大会」。ここで打ち揚げられる正三尺玉(直径約90cm/開花時の直径約600m)をはじめ、全国で打ち揚げられる正三尺玉の花火はほとんどが新潟県産です。
「しだれ柳」を代表に、花火の開花から太く長く下に垂れ下がり余韻の残るものが多いのも特色。
小千谷市片貝町の「片貝まつり」では、日本一の大きさを誇る四尺玉(直径約120cm/開花時の直径約700m)が打ち揚げられます。
大きな花火づくりが得意な理由
日本における打ち揚げ花火は、火薬が伝わった戦国時代に、火縄銃と共に火薬の製造技術が伝来したことがきっかけとなり発展しました。
当時、越後の国を治めていた上杉謙信は、大きい砲弾づくりが得意だったといわれ、今もその名残からか正三尺玉以上の花火のほとんどが新潟県でつくられています。
新潟では300年以上前に花火づくりが始まりましたが、最初は若者の遊びとして流行り各家庭でつくっていました。その後、競い合って技術が進化し、2022年に新潟県の伝統工芸品に指定されています。
大玉になるほど必要になる繊細な手仕事
打ち揚げ花火の製造工程は大きく4つ。
色や効果を出すために数種類の薬品を混ぜる「配合」。できた火薬に水を加えて練り、天日乾燥を繰り返して空中で光る“星”と呼ばれる火薬をつくる「造粒」。花火玉を包む容器に星と割火薬を隙間なく並べていく「組立」。花火玉の外側に紙を幾重にも貼り乾燥させる「玉貼」の工程を経て完成します。
なお、火薬を扱うため作業のすべてが手作業。5号玉以上大玉になるほど、精度が求められます。