トップページ 燕鎚起銅器(つばめついきどうき)
銅板を鎚(つち)で打ち、形をつくる職人技

燕鎚起銅器(つばめついきどうき)

産地:燕市

THE NIIGATA1F階段奥の壁面では、新潟の10のものづくりにまつわる「新潟のものづくり採集」を展示しています。
このページではそのうちのひとつ、「燕鎚起銅器(つばめついきどうき)」に関する詳細をご紹介。実際の展示では各ものづくりの素材や道具、工程などからつくり手の息吹を感じることができますので、ぜひ併せてご覧ください。

燕鎚起銅器(つばめついきどうき)

1枚の銅板から急須や湯沸(ゆわかし)などの立体物をつくり上げる「鎚起銅器」。鎚(つち)で繰り返し叩くことによって、密度の高い金属となり、丈夫で美しい表面が生み出されます。銅器の色合いや柄は多彩で、工房や職人ごとに表情が異なるのも魅力。
茶器や酒器、花瓶などの日用品から美術品まで製品の幅が広く、経年変化を楽しめることが特徴です。使い込むほどに艶を増し、味わい深い表情へ変わっていきます。

和釘づくりから発展した唯一無二の技術

かつて信濃川の氾濫で苦しむ農民の副業として始まった和釘(わくぎ)づくりが発端。江戸時代中期、燕市近郊の弥彦山に銅山が拓かれたことをきっかけに、鎚起銅器の製造は始まります。
当初は日用品であるやかん類の生産からスタートしましたが、明治時代には彫金技術を取り入れた美術工芸品へシフト。1894年には明治天皇へ花瓶を献上したこともあります。
現在、鎚起銅器の産地は全国で燕市のみ。1981年に国の伝統工芸品に指定されています。

熟練の職人によって生み出される魔法のような手業

1枚の銅板を金鎚で打ち延ばしたり、打ち縮めたり、熱で柔らかくしたりする工程を幾度となく繰り返しながら成形します。形状を整えた後には、表面に細かな模様を彫ったり打ち出したりし、最後に化学反応を用いた着色を施します。
これらの製作にはさまざまな道具が必要で、例えば、湯沸を製作するためには数十種類の鳥口(鉄棒)と金鎚が使われます。そして、多くの職人の手と長い時間をかけて、ひとつひとつの銅器がつくられています。

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