トップページ 安田瓦
雪国の厳しい気候から人々の暮らしを守る

安田瓦

産地:阿賀野市

THE NIIGATA1F階段奥の壁面では、新潟の10のものづくりにまつわる「新潟のものづくり採集」を展示しています。
このページではそのうちのひとつ、「安田瓦」に関する詳細をご紹介。実際の展示では各ものづくりの素材や道具、工程などからつくり手の息吹を感じることができますので、ぜひ併せてご覧ください。

安田瓦

雪国ならではの多量の積雪に加え、海沿いの塩害や強風など北陸地域特有の厳しい気候に耐え得る強度を備えた瓦。吸水率が低く、断熱性や耐寒性に優れています。
銀色に輝く鉄色が特徴で、そのザラザラした表面は屋根からの落雪を防ぐ効果があります。見た目も美しいため、新潟市の旧県会議事堂・旧税関や、県知事公舎など由緒ある建物にも使用されています。
また、近年はお皿や酒器などに使われるなど、瓦以外への展開も見せています。

良質な土と燃料に恵まれ発展

1830年頃、越前敦賀(現福井県)の瓦職人が、旧安田町(現阿賀野市)を訪れた際に土に惚れ込み、地元の人に瓦づくりを伝授。この地域に良質な粘土が豊富にあったことから、瓦の生産地として発展していきました。
明治時代には、日清戦争後の軍備拡張のための兵舎屋根工事の注文が相次ぎ、産業として飛躍的に発展しました。大正から昭和にかけては工場の機械化が進み、より高品質なものづくりへと進化。現在、日本最北の瓦の産地として技術が継承されています。

強度の秘訣は二段階焼成

厳しい自然環境に耐え得る強度の秘密は、瓦の焼き方。表面に鉄分を多量に含む天然の釉薬をかけ、高温酸化焼成と還元焼成という二段階焼成で、おおむね27時間をかけてゆっくり焼成します。
最初は窯内の酸素量を調整しながら、1200℃まで火力を最大化。その後、窯の内部を無酸素状態にして焼成を続けます。そうすることで、瓦は極限まで焼き締められ、強度と耐久性、防水性を実現。同時に独特の鉄色の美しさが生まれます。

お知らせを受け取りますか? Yes No