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日本の高温多湿な気候に合った着物の保管庫

加茂桐箪笥

産地:加茂市、田上町

THE NIIGATA1F階段奥の壁面では、新潟の10のものづくりにまつわる「新潟のものづくり採集」を展示しています。
このページではそのうちのひとつ、「加茂桐箪笥」に関する詳細をご紹介。実際の展示では各ものづくりの素材や道具、工程などからつくり手の息吹を感じることができますので、ぜひ併せてご覧ください。

加茂桐箪笥

伝統楽器の琴や、紋章・家紋のモチーフに用いられるなど、日本において古くから特別な木として重宝されてきた桐。耐久性があり吸湿・防虫性も高く、また軽いことから、桐製の箪笥は昔から着物の保管庫として重宝されてきました。
加茂市でつくられている桐箪笥は、職人が生み出す美しい木目と木肌のぬくもりを感じることのできる家具の最高級品。金釘を使わずに板と板を組む「指し物」技術で、空気の漏れ出る隙間もないほどの精度です。
また、古くなっても表面を削るなどして再生できるため、100年以上長持ちすると言われています。

良質な桐に恵まれた加茂は、日本最大の桐箪笥の産地に

三方を山に囲まれた加茂市は面積の約7割が山間地で、昔から天然の桐材が豊富に手に入りました。
指物師が桐の特性を生かした保存用の箱を制作したのが加茂桐箪笥のルーツで、1810年頃から桐製の箪笥をつくるように。加茂川を通じて東北や北海道へも出荷され、加茂は桐箪笥の産地として発展していきました。
1976年には新潟県の伝統工芸品に指定。現在、日本最大の桐箪笥生産量を誇ります。

桐を知り尽くした職人が技術を惜しみなく注ぐ

加茂の桐箪笥は原木を製材するところから製品の完成まで、一貫して行うのが特徴。良質な桐を約1~3年かけて自然乾燥させることで渋抜きがされ、その後の変色や歪みなどを防ぐことができます。
箪笥の制作工程は大きく分けて「木取り・組み立て・塗装・金具付け」の4つ。
組み立ての工程では、金釘を一切使わずに「木釘」を打ち込む伝統技法で本体がつくられ、引き出しや扉はノミ・カンナなどの手工具で調節しながら隙間がないように仕上げられます。

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