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雪さらしで、白くて柔らかい風合いを生み出す

小国和紙

産地:長岡市小国町

THE NIIGATA1F階段奥の壁面では、新潟の10のものづくりにまつわる「新潟のものづくり採集」を展示しています。
このページではそのうちのひとつ、「小国和紙」に関する詳細をご紹介。実際の展示では各ものづくりの素材や道具、工程などからつくり手の息吹を感じることができますので、ぜひ併せてご覧ください。

小国和紙

「小国和紙」は長岡市小国地域でつくられる伝統的な手漉き和紙。書道や絵画用の用紙をはじめ、清酒ラベル、着物の札紙(ふだがみ)ほか、近年では建築用の壁紙にも使われています。
原料の楮(こうぞ)の皮を雪上で天日にさらす「雪さらし」や、漉いた紙を雪に埋めて春まで保存する「かんぐれ」などにより、光沢のある白さと柔らかい風合いが生み出されます。
これらの雪を活用した伝統製法は、国選択無形文化財と新潟県無形文化財に指定されています。また、2022年には新潟県の伝統工芸品に指定されました。

家族の絆によって受け継がれてきた和紙

和紙づくりは雪に閉ざされる豪雪地帯で、300年以上前に農家の冬の手仕事として始まりました。原料の楮栽培から手がけ、各家庭の中で一連の作業が完結することもあり、家族の絆によって守られてきました。
江戸時代には、水田のない山間地の集落において、年貢として収められていたといいます。昭和初期には多くの事業者により和紙が生産されていましたが、現在では「小国和紙生産組合」のみが製造を続けています。

雪を活用した伝統製法

特徴的なのが、雪を活用した製造方法。原料の楮の皮を冬の晴れた日に雪上で天日にさらす「雪さらし」により、楮の色素を破壊し白くします。
また、漉いた紙を重ねた状態のまま水気を絞らずに、雪に埋めて春まで保存します。雪の中は一定の温度で腐らず凍らず保存でき、この伝統製法を「かんぐれ」といいます。
春になると雪から掘り出し、板に並べて雪上で「天日干し」に。直射日光に加えて雪からの反射を利用し、紫外線によって白く光沢のある和紙を生み出します。

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