新潟県の梨は江戸幕府への献上品だった! 新潟の隠れた“お国自慢”、梨の季節がやってきた
「新潟県の梨」と聞かれて〈ル レクチエ〉の名前があがる人は、なかなかの新潟通かもしれません。新潟県は〈ル レクチエ〉など西洋梨の出荷量が全国2位(農林水産省「農林水産統計」/2023年)ですが、日本梨の有名な産地でもあることをご存知でしょうか。
かつて江戸幕府への献上品であったり、新潟県オリジナルの品種も多数誕生していたり、日本梨も新潟県とゆかりの深いフルーツで、現在でも十数品種が生産されています。
新潟県にある“梨の”天然記念物〈月潟の類産ナシ〉
新潟県の梨の歴史は古く、江戸時代の大名の参勤交代で「越後のお国自慢」として江戸幕府に梨を献上したと言われています。その記録は歴史書にしか残されていませんが、歴史を今に伝える「現物」がいまも残っていることはあまり知られていません。
新潟市南区には、文化年間(1804~17)に上総国(千葉県)から譲り受けた、樹齢約200年の梨の古木〈月潟の類産ナシ〉が現在も残されています。いまでも毎年400~500個の梨の実をつけ、新潟県と梨の歴史の生き証人として国の天然記念物に指定されています。
新潟オリジナルの日本梨
古くから梨の産地として栄えてきた新潟県では、これまでも〈天の川〉や〈晩三吉〉〈新雪〉などオリジナル品種を数多く生み出してきました。
しかし、〈幸水〉や〈豊水〉など国が育成した品種が流通するようになると、より時代の流れに即した味わいを求めて新潟県でも新しい品種が誕生していきます。
新美月┃しんみづき(9月中旬)
2013年(平成25年)に品種登録された、新潟県オリジナル梨品種が〈新美月〉。濃厚な甘みだけでなく、さわやかな酸味とのバランスに優れています。また、シャリシャリとした食感も特徴。丸々とした形と太くて長い軸が見分けるポイントです。
新王┃しんおう(9月下旬〜)
〈新美月〉と同年の2013年に品種登録されたのが〈新王〉。バランスのとれた味わいの〈新美月〉に対して、〈新王〉は平均糖度15度と日本梨のなかで最高峰の甘さが魅力です。強い甘さとザクッとした力強い食感を兼ね備え、果皮には大きな果点があり、ゴツゴツした手触りが特徴。
新碧┃しんみどり(9月中旬〜)
2021年に誕生した品種〈新碧〉。「新」は新潟の「新」と新品種の「新」、そして「碧」は果皮が緑色であることから名づけられました。約600gと果実が大きいことが特徴で、果汁たっぷりでみずみずしくも、シャキシャキとして歯ごたえがあります。味わいは酸味が控えめで甘みが強め。まだ県外には出回っていない貴重な品種です。
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次々と旬がやってくる新潟の梨を楽しもう!
新潟県内では、オリジナルの品種だけではなく、さまざまな日本梨が生産されています。甘い系からスッキリ系、シャリシャリとした食感のものからやわらかいものまで、バラエティあふれる味わいもバランスよく楽しむことができます。
また、8月から1月まで、さまざまな品種が流通し1年のうち約半年をかけて楽しめますが、なかには旬が1か月に満たないものも。年末まで順番で旬がやってくる新潟県産の梨を楽しむのもおもしろいかもしれません。
〈THE NIIGATA〉では順次旬の梨を入荷予定です。9月上旬からは〈豊水〉や〈二十世紀〉〈あきづき〉。新潟県オリジナルの〈新美月〉や〈新王〉は9月中旬から。10月に入ると〈新高〉や〈新興〉を取りそろえています(入荷状況は変更の可能性があります)。
この記事は、新潟県の魅力発信ポータルサイト「新潟のつかいかた」の記事を引用・再編集してお届けしています。新潟県っておもしろそう!と思ってくれた方はぜひ覗いてみてください。 「新潟のつかいかた」:howtoniigata.jp |